年末年始に広告は停止すべきか?30社以上の実データから導いた結論


貴社では年末年始の広告を配信するかどうか決めましたか?

毎年やってくるこの疑問。ネット上の記事では分からない、弊社30社以上のクライアントデータと、12年の広告運用経験から導いた結論をお伝えします。

結論:基本は「止めない」が正解

データから導いた判断基準

条件判断
休暇が1週間「以内」→ 配信継続
休暇が1週間「以上」→ 停止を検討

ただし、すべての業種で当てはまるわけではありません。以下の5つの要素で自社に最適な判断をしてください。

  1. 商材・サービスの緊急性(今すぐ必要か?)
  2. 事前予約のリードタイム(予約はどれくらい先まで入るか?)
  3. 地域特性(帰省で人が減るか、増えるか?)
  4. 休暇日数(休みの長さ)
  5. 予約対応の可否(休業中の対応フロー)

なぜ「止めない」が正解なのか?

患者さん・顧客は暇している

年末年始は顧客側の時間がたっぷりあります。

  • 暇だからお店探しをする
  • 暇だからSNS(Instagram、Facebook、YouTube)をよく見る
  • 比較検討して、年明けに行く

注意:広告を止めると、この絶好の比較検討タイミングで候補から外れてしまうのです。

広告を止めると年始のスタートダッシュに失敗する

「休んでる間は問い合わせが来てもしょうがない」——この考え方は危険です。

患者さんは年末年始に比較検討し、年明けの予約先を決めています。この期間に広告を止めると、来年のスタートダッシュで大きく損をします

停止すべきケース:緊急性が高い商材

停止推奨 「鍵開け」「水道トラブル」「ぎっくり腰」など、「今すぐ」対応が必要なサービスで、休業中に対応できないなら広告は停止すべきです。 クリックされても対応できなければ、無駄なコスト(機会損失ではなく損失)になります。

配信継続をおすすめする5つの理由

1. 検索行動が減り、広告費は上がらない

年末年始は検索ボリューム自体が減少傾向にあります。広告はクリック課金が多いため、「検索されない → クリックされない → 広告費が発生しない」となり、無駄な出費は抑えられます。

年末年始の検索トレンド

年末年始の検索トレンド

2. 機械学習を止めない

GoogleやMetaの広告アルゴリズムは、継続的な配信データで学習しています。数日間の停止でも、再開時に学習がリセットされ(初動の不安定化)、元のパフォーマンスに戻るのに時間がかかるリスクがあります。

3. 機会損失を防ぐ(競合が減るチャンス)

多くの競合が広告を停止するため、入札競争が緩和される可能性があります。**「競合がいない間に見込み客を刈り取る」**チャンスとも言えます。

4. 顧客の可処分時間が増える

年末年始は顧客がSNSやネット検索に費やす時間が増えます。広告効果が高まりやすい時期なのです。

5. 予約対応は工夫次第でできる

  • ネット予約システムを入れているなら、24時間予約受付可能
  • 電話転送設定で携帯に転送し、電話だけは取る
  • LINEメッセージはリアルタイムでなくても折り返し可能

年末年始だからこそ効果を上げるテクニック

重要:以下のテクニックは年末年始も営業している場合に有効です。営業していない期間については、営業再開日をアピールする形で活用してください。

1. 特定の検索キーワードを狙う(年末年始営業している場合)

大型連休には必ず特定の検索キーワードが増えます。年末年始も営業している先生は、これらのキーワードでSEO上位表示を狙いましょう。

  • 「年末年始 整体」
  • 「池袋 整体 2025 年末年始 営業」
  • 「正月 やってる 整骨院」

2. Google広告の広告文を変更(年末年始営業している場合)

年末年始も営業している場合は、広告文に以下を入れるとクリック率が上がります。

  • 「年末年始も営業」
  • 「30日まで営業」「31日まで営業」
  • 「1月2日から営業」「元旦も営業中」

3. Meta広告のクリエイティブを年末年始用に変更

画像・動画を年末年始専用に変えて、営業日程を明記しておきましょう。

4. Googleビジネスプロフィールの設定(超重要・全員必須)

必須対応 年末年始の営業時間を個別設定しないと、MEO順位が下がります。 Googleは年末年始が通常営業でないことを把握しているため、個別設定していない店舗は「怖くて表示できない」状態になります。

設定していないと、以下の時期にMEO順位が下がります。

  • 年末年始期間
  • 正月1月前半

5. Googleビジネスプロフィールの投稿機能を活用

年末年始の営業情報を投稿しておきましょう。

6. ブログで年末年始の営業記事を書く

「2025年年末は何日まで営業」「2026年始は1月何日から営業開始」という記事を書くと、Googleが拾って上位表示してくれます。

1月は「美容・ダイエット」の書き入れ時

「今年は何か変えたい」——そんなモチベーションが1月はピークに高まります。

ダイエット検索トレンド

ダイエット検索トレンド

  • 「今年こそは痩せたい」
  • 「今年こそは姿勢を改善したい」
  • 「今年こそはきれいになりたい」

Googleトレンドでも1月はこれらの検索数が伸びます。このタイミングでキャンペーンを仕掛けるのは非常に有効です。

実際のデータ検証(ケーススタディ)

過去のクライアント実績から、休暇パターン別のデータを公開します。

ケースA:年末年始休暇 4日間(12/31〜1/3)— 配信継続で成功

広告費は約2.5万円。回数券が3件売れ、13万円の売上を確保できました。

ケースA データ

ケースA データ

ケースA データ

ケースB:年末年始休暇 7日間(12/30〜1/5)— 広告停止

期間が長いため停止しました。再開後(1/6〜7)にCPAが一時的に高騰しましたが、許容範囲内でした。

ケースB データ

ケースC:休みなし — 通常通り獲得

休みなしで営業した場合、当然ながらコンバージョン15件を獲得できています。

ケースC データ

ケースC データ

年末年始チェックリスト

全員必須

  • 広告は継続する(Google広告・Meta広告ともに止めない)
  • Googleビジネスプロフィールの年末年始営業時間を個別設定
  • Googleビジネスプロフィールに年末年始の営業情報を投稿

年末年始も営業する場合

  • Google広告の広告文に「年末年始も営業」「◯日まで営業」を明記
  • Meta広告のクリエイティブを年末年始用に差し替え
  • ブログに年末年始の営業日程記事を公開
  • 「年末年始 整体」などのキーワードでSEO対策

休業中の対応

  • 電話転送設定(携帯に転送)
  • ネット予約システムで24時間予約受付
  • LINEメッセージへの折り返し対応

まとめ

条件判断
休暇1週間以内配信継続(推奨)
休暇1週間以上停止を検討
緊急性の高いビジネス停止
事前予約が入るビジネス配信継続

迷ったら**「休暇が1週間以内なら配信継続」**を基本路線としつつ、緊急性の高いビジネスだけは停止する、という判断がおすすめです。

年末年始は顧客が暇で比較検討している絶好のタイミング。ライバルが減る今こそ、広告を継続して2026年のスタートダッシュを切りましょう。